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SAITASのヘッダー


再生医療の新ブランド「SAITAS」


iPS細胞を始めとして、未来性で注目される再生医療

この分野において、可能性の花が咲く、明日への希望、再び生まれる事などをイメージして名付けられたSAITAS(サイタス)は、
「再生医療を助ける」取り組みにつけられたブランド名です。


SAITAS

研究者の活動をサポートする商社、池田理化がブランド「SAITAS」を立ち上げた経緯を、高橋社長と川橋課長、小林課長代理に伺うとともに、
株式会社池田理化、株式会社カネカ、テルモBCT株式会社、ダイダン株式会社の4社による協働活動プレス発表会に参加してきました。





まず、SAITASとはどんなプロジェクトなのかを(株)池田理化の高橋社長に伺いました。


■SAITASによる再生医療研究の支援とは?

「2012年に山中伸弥教授がノーベル賞を受賞した事もあり、再生医療の産業化への期待は大きくなっています。 しかし実際に治療に用いるにはまだ多くの課題があり、今後さらに研究が必要となると考えています。
当社では、理化学機器の専門商社として様々な研究機器を扱う中、再生医療は人類の未来に大きく貢献する技術の一つであると考え、 再生医療研究の支援を注力事業の一つと位置付けました。」


池田理化営業統括室


再生医療研究奨励賞

まず、再生医療研究への支援策として、2014年から「池田理化再生医療研究奨励賞」をスタート。
再生医療に関係した研究テーマを持つ若手研究者(40歳以下)からの応募に対し、 毎年複数名に“使用用途を制限しない補助金”を支給しているそうです。

用途を制限しない資金は、若手研究者にとって非常に重要なものであり、試薬消耗品の購入だけでなく、学会参加費や移動交通費などに使われるケースが多いとのこと。
「院生・ポスドクにとっては、自分の力で予算を取る経験として活用して欲しい」と高橋社長は語り、非常に魅力的な取り組みであると印象を受けました。


この研究助成活動で様々な研究者と触れるうち、
「再生医療が実現した未来に必要とされるものはなんだろう? 彼らの研究を産業に結び付ける際に、必要とされるものは何だろう?」
という疑問を持ち、その答えとして「SAITAS」が立ち上がったと言います。




■SAITASというブランド

「池田理化が、理化学商社として取り扱っている大量の製品群から、専門部署が独自の目線で、特に再生医療の研究開発に有効と思われる物をSAITASとしてブランド化する事を目指しています。
それらの製品を自社製品化するのではなく、製造元である各メーカー様と共にPRしていく。
いわばセンス良い目利きのセレクトショップのイメージです。 将来的には、「再生医療をするならSAITASから選んでおけば間違いない」と言われる様な信頼の証になるよう「確かな目利き」のもと、ラインナップを増やしています。」




■SAITASによる次世代CPFの提案

「再生医療研究の中でも、臨床利用に向けて技術開発が進んでいる細胞治療を考えた場合、課題はコストの低減治療の均質化であると考えた」と言います。

再生医療/細胞治療の為にはCPF:Cell Processing Facility(細胞加工施設)が必要ですが、その建設・運用には莫大なコストが必要です。
大規模なCPFは、その建設費が高額であることはもちろん、培養士の確保が難しく、教育・育成に時間を要します。
近年は細胞加工を外部組織に委託するケースも増えましたが、コスト面での負担がさらに増大します。

一般的な再生医療用CPF

再生医療/細胞治療用のCPF(例)
清浄環境を維持するための前室などを設ける必要があり、広いエリアと数億円の建設コストがかかる。


再生医療等の安全性の確保等に関する法律 第42条
細胞培養加工施設の構造設備は、厚生労働省令で定める基準に適合したものでなければならない。

施行規則 89条 細胞培養加工施設の構造設備 12
作業のうち、無菌操作を行う区域は、フィルターにより処理された清浄な空気を供し、かつ、適切な差圧管理を行うために必要な構造設備を有すること。
ただし、無菌操作が閉鎖式操作で行われ無菌性が確保できる場合、この限りではない。



その課題を解決すべく、誰でも均一な細胞製品を作成できる環境を手軽に成立させる技術を提案するため、
「SAITASでご協力いただいていた3社のメーカー様にお声掛けし、省スペースで省力化できるうえ、均一な細胞生産を実現する次世代CPF技術として、4社で協働活動をしていく事に致しました。」


この4社協働次世代CPF技術について、2018年2月に共同記者発表会が開催されましたので、参加してきました。





次世代CPFについての記者発表会

2018年2月14日 於:川崎市殿町LIC内 セラボ殿町


SAITAS記者発表会

株式会社池田理化の高橋社長による挨拶から始まった記者発表会には、業界専門紙だけでなく一般紙の記者も含め多くのメディアが参集しており注目の高さがうかがえます。

その後、株式会社池田理化 営業統括室の小林様より、全体についての説明、
続いて、株式会社カネカ、テルモBCT株式会社、ダイダン株式会社による各社製品の説明があり、最後に実機の見学会がおこなわれました。




株式会社池田理化 営業統括室 小林太郎 様


池田理化 小林様

細胞治療をおこなうためのCPFは、高額な導入費や運用コストがかかることはもちろん、均質で高濃度な細胞を生産するための熟練した細胞培養士が複数人必要な点が、確保とコストの両面で大きな課題となっています。

イニシャル:CPF建設費 + 培養士の確保
ランニング:機器の維持費(ランニング+保守)+ 人件費

SAITASでは、部屋全体ではなく局所的にクリーン化する技術と閉鎖系自動細胞加工装置の組み合わせにより課題を解決すべく、当該製品を扱っている各社様と協働活動を始めました。



再生医療用CPF

細胞治療に用いるための細胞培養(2つのセルラインで、2x10^8 cellsまで培養と仮定)に必要なもの(例)
閉鎖系自動装置と局所クリーン化の組合せにより、スペースと培養士を大幅に削減できる




株式会社カネカ 開発部 細川貴広 様


カネカ 細川様

細胞治療においては、その設備と高濃度な細胞増殖性などが注目されがちですが、培養の元となる細胞をいかに状態良く簡単に手に入れられるか、も重要です。

カネカ分離デバイス



当社の骨髄幹細胞分離デバイスは、骨髄液(赤血球や白血球などが混在)から、間葉系幹細胞を分離するためのディスポーザブルキットで、高額な機器を用いず、簡単に状態の良い幹細胞を得られます。
同様に、細胞濃縮洗浄システム(後述)のアクセサリとして、吸引脂肪などから幹細胞を抽出するためのバッグもご用意しており、脂肪幹細胞を含むSVF(間質血管細胞群)を簡単に入手できます。

状態良く採取された細胞を少人数で培養するためには、自動細胞培養装置が重要になります。


カネカ自動培養装置P4CS

閉鎖系自動培養装置P4CSを用いると、接着系の初代細胞を2x10^7程度まで自動培養でき、培養中の観察機能も搭載、作業履歴が保存されるので、別途記録を取る必要もありません。


多くの場合、細胞治療のために培養された細胞は、数百mL~数Lの細胞懸濁液となります。
実際の治療に使うには、この細胞懸濁液の濃縮と洗浄が必要です。
一般的には遠心機を用いて容器の底に細胞を集める事で濃縮と洗浄をおこないますが、遠心力のストレスが細胞にかかります。
さらに上清を捨てる作業時などに外気に開放されることから、この作業は清浄環境下でおこなう必要があり、結果として大規模なクリーンルームが要求されます。

カネカ自動濃縮洗浄装置

細胞濃縮洗浄システムR-CS-Sは、独自開発した中空糸膜を用いた閉鎖系回路を用いて細胞を洗浄することで、大規模クリ―ルーム不要で遠心力によるダメージを与えることなく、30分程度で80mL以下に濃縮可能です。





テルモBCT株式会社 取締役 営業推進部長 加藤丈朋 様


テルモ 加藤様

細胞治療をおこなう上で重要になる品質のばらつき。
これは作業者の手技による部分が大きく影響するため、再現性良く効率的なプロセスを実現するためには、作業者の介入を減らす事が重要です。


テルモ

Quantum 自動細胞増殖システムは、拡大細胞培養の自動化に貢献する閉鎖系システムで、拡張性を持ちながら、省力化と再現性の向上を実現します。
細胞種と培養方法にもよりますが、1台で5x10^8cells程度までの拡大培養が可能。
さらなるスケールアップには台数を増やすことで対応可能です。操作は非常に簡単なので、10台を1名でオペレーションする事が可能です。


テルモTSCD

また、閉鎖系の装置間での作業性を向上させるため、チューブを無菌的に切断し別のチューブと接合する装置 TSCD-IIもご用意しています。
たとえば、黄色い液のチューブと赤い液のチューブを、約30秒で切断し、互いに接合することが可能です。
残ったチューブも封止されますので、培地交換や、新たな容器への移送時など、チューブの接合が非常に効率的になります。





ダイダン株式会社 再生医療事業部 佐々木洋二 様


ダイダン 佐々木様

光・空気・水の技術を用いて、再生医療の発展に寄与する方針のもと、再生医療に必要な環境構築を担っていきたいと考えています。
先にご紹介のあった様々な閉鎖系システムであっても、培養を伴う場合には管理された清浄環境下に設置する必要があります。


ダイダン エアバリアブース


ダイダンの気流制御技術エアバリアブースは、10平米未満(6畳弱)の場所にも設置可能であり、クリニックなどの限られたスペースにクリーン環境を設けたい時に最適です。
また、部材を持ち込んで現場で組み立てるため、工事に伴う休業や粉じんの発生などを抑えられ、導入のハードルを下げる事ができます。


ダイダン エアバリアブース

このコンパクトな清浄環境スペース内に、閉鎖系細胞培養システムを設置する事で
作業者の負担を軽減した次世代CPFが実現できます。





再生医療や細胞治療は、まだ普及段階にあり、現場ではコンパクトなCPFによる少人数オペレーションが求められています。
そのためには、省力化と培養士の手技差をなくす事を同時に実現する自動装置の導入、さらに閉鎖系の自動装置を選択する事で、部屋全体ではなく必要な場所だけの局所クリーン化が近道のようです。


スマートCPユニット

SAITAS 4社協働プロジェクトでは、このコンパクトなCPFを、スマートCPユニットと命名し、
ダイダンの局所クリーン化システムと、p4csやQuantumといった閉鎖系自動培養システムを設置、 さらに培養後の細胞を濃縮洗浄するR-CS-Sと、チューブの無菌接合システムTSCD-IIを合せて提案しています。



従来型のCPF(例)
多くの機器を清浄環境下に入れる必要があり、広いクリーンエリアが必要。

一般的な再生医療用CPF


スマートCPユニット(例)
局所クリーン化と閉鎖系装置の組合せで、圧倒的な小スペースを実現

スマートCPユニット


これにより、設置面積で従来比1/3以下を実現、設置コストや運用コストも大幅に抑えられるため、クリニックなど小規模な細胞治療施設に最適なCPFが誕生しました。
今後、この様な小規模CPFを中心に、再生医療/細胞治療に関する相談や依頼に対して、池田理化を中心としたSAITAS賛同企業でワンストップ対応できる体制を目指しているとのこと。


細胞治療に取り組みたいと考えていたが、コストやスペース、専門技能を有した人材の確保が課題となり実現できなかったクリニック等にとって、
スマートCPユニットは非常に魅力的であるとともに、これから再生医療に取り掛かりたい研究者にとっても、
SAITASブランドの成長がその研究をサポートすることになるでしょう。





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株式会社カネカの細胞濃縮洗浄装置は、以前にKEYSTONEで取材しております。
本装置を開発した技術統括部の谷口様のインタビューも
ぜひ、合せてご覧さい

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